城ヶ崎の板碑(町指定文化財)

板碑とは、鎌倉時代、関東を中心に流行した供養塔の一種です。当時、新興宗教浄土教の布教と共に地方へ広がったといわれています。
城ヶ崎の板碑は、通称「イボン神様」といわれています。形は四面注状で、石材は山川石が使われています。碑文には、「道永の為に長年にわたって、南無阿弥陀仏を唱え、その霊を慰めていたが、両親に代わって石塔一基を造立の理由を刻んであります。
幾百年の風雲に耐え、ある時は廃仏という人災に遭遇しながら、今日まで残っていた事は、非常に重要です。また、中世における人々の信仰の一端を伺うことができる貴重な資料です。このほか、町内では菊水・永山・東垂水で板碑が確認されています。本当に、鎌倉時代の碑が、ちょっとした所に残っていることが、不思議でした。すべての歴史をじっと見守ってきたことはすごいと思います。