清水の磨崖仏群。

今は南九州市の一部になりましたが、旧川辺(かわなべ)町の清水という場所に、「清水の磨崖仏」と呼ばれる史跡があります。川沿いの道を歩くと、左手の岩肌に仏や梵字、五輪等などが400〜500Mにわたって刻まれています。彫られた年代も平安時代から江戸時代までにおよんでいます。中でもあちこちに刻まれている五輪塔は、亡くなった人の供養のために彫られたもので、平安時代の終わりごろから、石や木や崖面に作られています。清水磨崖仏群には、現在、200墓の供養塔、仏像や梵字が彫られていますが、この大五輪塔は、その中でも最も古く、最も大きなもので、日本一の大きさです。彫られたのは平安時代から鎌倉時代の初めごろと考えられています。この五輪塔は、下から地輪・水・火・風・空という五つの形でできていて、これは仏教で世界を作る5つの要素と考えられていました。
下から「ア・バン・ラン・カン・キャン」と読み、一つのお経となっています。今でもだれが、何のためにつくったか、はわかっていません。
一帯は近年整備され、夏場は川をせき止めてプールになり、子ども連れで遊びに来る方も多くなりました。