精忠組を鍛えた座禅石

鹿児島市の城山団地にある座禅石。西郷、大久保らが青春時代に精神の鍛錬の為に、度々訪れた場所です。
後に明治維新の中心的役割を果たす彼らを暖かく見守り、多大な影響を与えた人物がいました。鹿児島市草牟田誓光寺の住職・円了無参和尚(えんりょうむさんおしょう)といい、城下南林寺や島津菩提寺の住職をつとめる名僧です。
揺れ動く藩政の中で、座禅によって自分をみつめ直すことは、大きな時代の流れを見極める助けとなると教えた人物です。
無参和尚の教えを受けた若き志士たちは、有志組を結成し、後に、精忠組と呼ばれ薩摩藩の中核として、明治維新を成し遂げます。
そして、この時のメンバーは、西郷隆盛大久保利通有馬新七海江田信義伊地知貞馨吉井友実伊地知正治税所篤大山綱良・岩下方平などの志士です。
この中に、寺田屋事件有馬新七の名もあります。お互い戦った仲間に、相対した友もいます。当時の彼らは、後に自分達が飲み込まれて行った維新という名の大きな激動期に、自分達の将来を予想する事すら出来なかったでしょう。
薩摩の維新の裏には、このような悲しい話も沢山埋もれています。