島津斉彬公の墓所はどこ?


普通、大概の城下町にはその地の歴代藩主の墓所が市内中心部にあり、観光名所の一つになっていたりするものですが、薩摩藩主島津家の墓がどこにあるか、鹿児島市民でさえ知らない人のほうが多いです。
鹿児島市玉龍高等学校の裏手にあり、付近には駐車場等も無いのでよほど歴史に関心のある人以外は訪れません。
ここには幕末まで僧、千名を超える福昌寺という藩内で一番大きな寺が有り、代々島津家の菩提寺でした。鹿児島市内を一巡してみると何か他の都市と違う感じがされる方もおられると思いますが、その一つは寺がほとんど見られないことです。明治維新後の廃仏毀釈に敏感に反応し、藩内のほとんどの寺が破壊されつくしてしまいました。お上の命令には逆らわず、率先してこれを実行する、という薩摩人の気質を表しているような気がします。寺の痕跡は全く見られませんが、石塀で囲まれた歴代藩主と正室墓所だけはきれいに保存されています。この墓所は今でも島津家の所有するもので、私有地なのですが御好意で開放されています。時間帯によっては人がほとんど居ない時があり、そんな時に訪れると静寂の中にも何か張り詰めた物を感じます。
写真は市内中心部にある照国(てるくに)神社。ご祭神は島津斉彬公です。