河邊氏のお寺・宝光院跡を訪れて(南さつま市)

知覧と言えば、特攻記念館や武家屋敷などで有名な観光地ですが、遠い過去においても、いろんな歴史を秘めた町です。印象に残ったお寺がありましたのでご紹介します。
知覧の中心部から車で20分ほどのところに、川辺というところがあります。前は川辺町でしたが、町村合併により、今は南さつま市に組み込まれました。この町には、河邊氏という豪族がいたことがわかりました。おそらく、知覧や伊集院などの氏族と競い合っていたのでしょう。この一族はかなり強い豪族だったようです。近くには、松尾城跡などの史跡もありましたが、まだ確認する時間がありませんでしたが、この河邊氏ゆかりのお寺を発見しました。宝光院というお寺で、当時としてはとても大きなお寺だったようです。残念ながら、明治2年に壊されてしまいましたが、その跡を見つけることができました。入り口の任王像や大きな宝篋印(ほうきょういん)塔や少し離れたお坊さんの墓地あとから、かなり大きなお寺だったことが偲ばれます。国の指定ではなく、町の指定の史跡ですが、何百年もの間、この川辺を守り地名も残すほどの殿様が居たんだと思い、写真を写しながら歴史の深さを痛感した次第です。それにしても島津氏は、大変な土地に赴任してきたものだと今更ながら思います。この様な地方豪族との戦いにつぐ戦いの歴史の末、ようやく薩摩、大隈、日向の三国を平定したのですから。