南州公のかくれ湯。

太政官政府に見切りをつけ、薩摩に帰った西郷南州公は、鹿児島城下に隣接する武村(現在の鹿児島市武町。中央駅の裏の方)に質素な家を得て、狩猟三昧の日々を過ごします。全国から毎日のように訪れる、挙兵を促す不平士族達に会いたくないというのが本当のところだったのでしょうが、狩猟と温泉が大好きだったのも事実です。南州公は一度狩猟に出ると1週間〜10日は帰ってきませんでした。昼間は狩り、夜は温泉という生活を続けていました。
その足跡は県内いたるところに残っています。
鰻温泉もそのひとつです。
指宿市内から、国道226号線を枕崎方面に4〜5キロ行くと標識がありますので右折して2キロほど、左手に突然、池というより湖が見えてきます。突き当たりに小さな集落があり、いたるところから湯煙があがっています。
ここでは地下から噴出す100度近い湯煙を利用した「スメ」と呼ばれる共同の天然コンロがいくつかあり、住民の方は食事の煮炊きに使っています。
南州公が定宿にしていた家には、公が使った寝巻き等が残されているそうです。