天を敬い人を愛す。

西郷南州翁終焉の地のすぐ近くに、JRのトンネルが有ります。
そのトンネルの入り口上部の岩盤に、「敬天愛人」の文字が大きく刻まれて
います。今ではこけの影響等で、ほとんど判別出来なくなっていますが、多分明治時代、西南戦争が終わってそれほど経たない時期に、南州翁の魂の平穏を願って彫られたものでしょう。
敬天愛人」天をうやまい、人を愛す。西郷南州翁が生涯座右の銘として、実践してきた言葉です。けっして奢らず、どんな人の話しも分け隔てなく聞き、自分を犠牲にしても人を助ける方を優先する。あの時代にこのような大人格者がいた事は、まさに奇跡と言わざるおえません。生来からの性格に、さらに素晴しい人格を与えたのは、やはり島津斉彬公でしょう。
一介の郷士身分のニセだった西郷吉之助のリーダーとしての才能をいち早く見抜き、お庭番として常に近くに置いて、西洋の情勢から日本の進むべき道筋まであらゆる知識を与えました。斉彬公には、幕府を倒してこの国を変える事が出来るのは西郷をおいて他にいないと解かっていたのでしょう。